月: 2024年12月

  • 立体駐車場ドーナツ

    立体駐車場ドーナツ

     自分の部屋だとあまり集中できないので、よく近所のミスタードーナツで作業する。この帰省中も、実家近くのミスタードーナツで博論の最終修正作業を進めた。特にハニーオールドファッションがおいしい。

     小さい頃、家族の車の中で山下達郎の『ドーナツ・ソング』をよく聴いた。歌詞に「公園通り」という場所が出てくるが、どこにでもある児童公園に隣接している道のことを言ってるんだろうと漠然と理解して、特に気にも留めなかった。

     「公園」とは代々木公園のことで、「公園通り」は渋谷のパルコがある坂道のことを指していると気づいたのは、上京してさらに5年くらい経ってからだった。

    佐賀駅には昔のミスド看板が残っていて嬉しくなった

     小学生時代のある日、ミスタードーナツに行くと、インド人のおじさん3人がレジに並んでいた。彼らのトレーには、ポンデリングやオールドファッションが3~4段重ねになって面積いっぱいに敷き詰められ、まるで立体駐車場のように聳えていた。

     僕は大人になればこんなにドーナツを食べても良いものなのかと感激したが、店内の他の客たちも「わぁ」と羨望のまなざしで彼らを見ていた。山のようにドーナツを大人買いするのは、誰もが一度は夢見ることだが、思い切って実行することは難しい。3人のおじさんは照れくさそうに微笑みながら、店員が大忙しに大量のドーナツを黙々と箱詰めしていくのを見守っていた。

     きっとチャイのためのお茶菓子だろうという両親の話から、僕ははじめてチャイという文化があるのを知った。