寮時代のベランダ

子どもの頃、将来の夢は漫画家で、主にずっと絵を描いていた。大学に入ってあまり描かなくなったが、コロナ禍に突入した大学院生のころからまた描くようになった。

大学3年から大学院卒業まで7年住んでいた寮の4階の部屋は、ベランダに出ると、近所の銭湯の煙突から池袋のビル群まで一気に見渡せた。共有ランドリーで洗ってきた洗濯物を干しながらそれを眺める時間が、ちょっとした毎日の楽しみだった。

朝干した洗濯物は、たいてい夕方に取り込むのを忘れて、暗くなってから回収することが多かった。夜のベランダからは、近所の家並から空まで藍色に染まり、遠くのビルの赤いランプが明滅しているのが見えて素晴らしかった。この景色は残しておきたいと思って、この絵が出来た。